魔法のひろば

宮城県立こども病院
4月7日10時入院


一歩入ると、ここはなんだ?

お菓子のエレベーター、大きなポストの滑り台、絵本やおもちゃ。
たくさんのソファーセットのテーブルの上には知育玩具。
看護師さんはカラフルなユニホーム。保育士さんみたい。

その中で
たくさん診察を待っている子供たち。こんなにもいるんだ病気の子。。。
混んでいるのかな。受付でしばらく待たされた。
主人がイライラして受付の看護師に伝えている。
「まだですか!!10時に来てくれと言われたから来たんです。具合が悪いんです、早くしてください!!」

「とわちゃんですね、はい、こちらへ。」
ちょっと年配の看護師さんがフォローにきて私たちを案内した。

お菓子のエレベーターに乗って2階へ。
血液腫瘍科 222号室

7日と8日に行った検査の結果を9日、カンファレンスルームで説明されました。

以下説明補助資料より抜粋
他の検査を待たないと確定しないが、白血病を疑っている。
腎臓が大きくなっており、腎機能も低下している。血圧も上がっている。
→白血病細胞が腎臓に浸潤しているのではないかと考える。
確定診断を待っていては手遅れになるので見込み診断ではあるが早急に白血病の治療を開始したい。
治る確率は70%~80%。ただしタイプによっては直り易い、難いはある。
特に注意しなければならないこと→腎臓に浸潤しているため、治療開始してからの負担に耐えられるかどうか。透析が必要になるかも?

 

主な検査予定

4月7日木曜日 マルク(骨髄穿刺)、骨髄生検、CT、エコー、心電図
4月8日金曜日 ガリウムシンチ(造影剤)採血、ルンバール
4月11日月曜日 ガリウムシンチ(造影剤)の撮影

 

それに伴い数えきれないほどの説明とサインをした。
内服や点滴も開始されとわちゃんは寝ていることがおおくなった。
検査で麻酔もたくさん使っていつもうつらうつらだった。

 


1階のエントランスは「まほうの広場」というらしい。

こどもたちにまほうをかけて
病気が消えてしまえばいいのにね。



幼稚園には休園の連絡をしました。
現実を伝えるのが辛くて、涙があふれてきました。
同時に
伝えていることが現実なんだと改めて恐怖を感じました。



2005年4月5日火曜日


2日後に幼稚園の入園式を控えて、お祝いもかねていとこ達が遊びに来てくれていました。
夫の両親と同居していて、とわちゃんには3つ上のお姉ちゃんと、3つ下の妹がいます。3姉妹の真ん中。いつも元気いっぱいでよく笑うとわちゃん!!なんだけどその日はなんだか調子が悪くコロコロとこたつで横になってました。
起き上がれず、遊びに来たいとこ達とも遊べず…。
心配したばあばが「ねえママ、とわちゃん病院に連れてったら?」というので、かかりつけの近所の小児科へ行くことにしました。


向かっている車中でもぐったりとして起き上がれない様子。なんとか待合室まで支えながら行きましたが、受付をして戻るとソファーにあおむけで寝てしまいました。その様子にハッとしました。顔が真っ白だったのです。


診察の結果、すぐに大きな病院で検査をするよう紹介されそのまま社会保険病院へ。車中で眠って気分が良くなったとわちゃん。そのなんだかそのまま帰れそう…。でも検査しなきゃね。
MRIでは「とわちゃん、大丈夫ですか???」と技師さんの問いかけに「はぁ~い!!」と元気に返答しながら受けていて、きっと何でもないのよ、先生大げさなんだから!帰りに夕飯の買い物しなきゃ、何にしようかな…なんて軽い気持ちでいました。


検査結果を待っていると、先生が「ご主人も一緒にお話を聞いてほしいのですが、病院に来れますか。」と言われました。


嫌な予感。
ざわざわとした嫌な予感。


主人が到着し、すぐに先生に呼ばれて部屋へ。先生が看護師に「シャットアウト!!」と告げて3人でカーテンの中へ。
「もっと検査をしないと断言できませんが、娘さんはおそらく…」
と言うと、メモ用紙を私たちに見せてきました。そこには


【急性リンパ性白血病】


と書いてありました。
なんだろうこれは。うそ、白血病?とわちゃんが?白血病って何だっけ?
主人がいろいろと質問していた。頭が真っ白で覚えていないけど確かどれくらい入院するんですか?って聞いたら短くても3か月と先生が言った。しかもこのまま即入院してくださいとも。

でも先生、とわちゃん明後日入園式なの。
先生は何にも悪くないけど、急に言われても入院なんて無理!そんなこと言わないで!

残酷にもそのまま検査が続く。その間、明日から治療する病院を決めたり、家族に連絡したり、入院の用意を取りに家に帰ったり。
帰ったらお姉ちゃんがこたつで寝ていました。そこへバタバタと焦る私。「また病院行かなきゃ!」と慌てて言ったら驚いて泣いてまった。お姉ちゃんもとわちゃんと同じで3日後には入学式。ぴかぴかの1年生。
「ごめんねまぁちゃん、とわちゃんが病気になっちゃって入院したんだ。お母さん今夜病院に泊まるね。」

病気は誰も悪くない。仕方ないのかもしれない。
でも病気になると生活が一変する恐怖を知りました。
まだ小さい子供が病気になるなんて。しかも白血病だなんて。
明日からどうすればいいんだろう。

私以上に不安になってるであろうとわちゃんに【めばえ】を買って病室へ。
私の不安をよそにとわちゃんはハイテンション。
2人で付録のプリキュアを黙々と作って消灯後も遊び続けました。
隣のベットには小学4年生くらいの女の子。小さい弟がいるからママは消灯時間になったら帰るんだって。ママが「いつ退院ですか?」と聞くので「明日です。」と答えました。
明日起きたら全部夢だったらいいのにな。

明日から【こども病院】に転院です。

 

 

ご挨拶

闘病記を始めたわけ

闘病記の主人公、とわちゃん、女の子。当時4歳。

私は33歳。

もうかれこれ14年も前になります。

とわちゃんと私、そして家族の闘病記を公表することで今、まさに今、同じ病気で頑張っている方に寄り添えたらとブログを開設することにしました。

それは、自分がそうだったから。
自分がとわちゃんと同じ病気の方の闘病記を読みあさっていたから。
病室のベットの横で夜、とわちゃんが寝た後にガラケーで検索しまくり、いつまでもいつまでもいろんな方の闘病記を読んでいました。
とわちゃんの症状と似ている、この先どうなっていくんだろう、この薬効くのかな、いつ元気になるのかな、いつ退院できるのかな、治るのかな。。。

また、14年前のことを悲しく辛い思い出にするのではなく、一生懸命頑張った記録として残しておきたいと思ったからです。
まだ記憶が鮮明に残っているうちにとわちゃんと家族との素晴らしい時間を覚えておきたいと思ったからです。

今頑張っている病児ちゃんのご家族に届けるには古い情報になってしまうかもしれませんが、14年前、私も一緒だったんだよ、と寄り添わせてください。


不定期の更新になりますが丁寧に記録していこうと思っております。